えさし郷土文化館開館25周年記念企画展
戦後80年 「戦火の筆―芸術が描いた戦争―」

戦争という極限状況の中で、芸術家たちは何を見、何を感じ、そして、いかに表現したのでしょうか。
本展は、近代以降の戦争を題材とし、画家や書家たちが筆を通して捉えた戦争の実相とその意味に迫るものです。
銃声が鳴り響き、命の重さが日々問われる戦場において、画家たちは従軍画家や報道画家として、あるいは一個人として、時に命を賭してその光景を描きとめようとしました。一方、筆墨の世界に生きた書家たちもまた、戦時下の精神や祈りを文字に託し、時代と真正面から向き合いました。それらの作品には、戦果や国威を讃えるにとどまらず、深い葛藤や哀しみ、そして人間の尊厳を見つめるまなざしが宿っています。
戦後80年という節目を迎えた今、私たちは戦争の記憶を次世代へ確かに継承する責任を担っています。本展では、戦時下および戦後に制作された絵画・書作品などを通して、戦争と芸術の関わりを多角的に見つめ、表現者たちのまなざしを探ります。
戦火のもとに記された筆の軌跡をたどることで、過去と向き合い、現在を見つめ、そして未来への希望を感じ取る機会となり、作品に込められた想いと静かに向き合うひとときとなることを願っています。

会期
令和7年8月9日(土)~10月13日(月・祝)
時間
9時00分~17時00分(会期中無休)
協力
奥州つはもの文庫、めんこい美術館、奥州市教育委員会